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【読書記録】村上春樹「猫を棄てる」

Book review

「猫を棄てる」を読む目的

  • 基本的には村上春樹を読むときはレバレッジリーディングのルールをあまり適用しない。
  • 村上春樹の言葉から間接的に自分の人生においてヒントや教訓となるようなことを疑似体験する

学び、気づき

  • この本の内容とはほとんど関係ないかもしれないけれど、「ずっとやりたいと思っているが、なかなか取りかかれないようなことがある時、視点や入り口を変えてみることでその後はすんなり入っていける場合がある」ということ
  • 村上春樹は「父について一冊の本にまとめる」という重たい作業になかなか手がつけられずにいたが、以前父と一緒に一匹の猫を海岸に捨てに行った時のことをふと思い出してそこから書き出してみたら、文章は思いのほかすらすら出てきた。

ネクストアクション

  • 何かやる気が出ない時が発生した場合、いつもと違う方向から初めてみる

メモ

「こんな平和な時代に生まれて、なににも邪魔されず、好きなだけ勉強できるというのに、どうしてもっと熱心に勉学に励まないのか」

「父が「命拾いをした」と述べたのは恐らく第五十三師団に一員として戦争末期に、悲惨を極めたビルマ戦線に送られずにすんだことを指しているのだろう。しかしバターンやレイテで屍となっていった、第十六師団のかつての仲間の兵士たちのことも、やはり彼の頭にはあったに違いない。十分あり得る仮定だが、もし父が違う運命を辿り、かつて所属していた第十六師団の部隊とともにフィリピンに送られていたなら、どちらかの戦場で間違いなく戦死を遂げていただろうし、そうなればもちろん僕もこの世界に存在していなかったということになる。恐らく「幸運なこと」というべきなのだろうが、しかし自分一人が命を取りとめ、かつての仲間の兵隊たちがそうして遠くの南方の戦場で空しく命を落としていったことは(その遺骨のうちには、今でも野ざらしになっているものも少なからずあるだろう)、父にとって大きな心の痛みとなり、切実な負い目となったはずだ。そのことを考えると、父が毎朝、長い時間じっと目を閉じ、心を込めてお経を唱えていたことがあらためて腑に落ちる。」